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彩職賢美
2004年1月15日
 

 個人の強み見出す術を 

 大手外資系企業で秘書をしながら、個人の魅力や強みを引き出すコーチングの手法を身に付けた藤本ゆかりさん。四年前、それを広めるために、東京と沖縄を拠点にインテリジェンス・アンリミテッドを設立した。
 「企業のリーダーたちにこのスキルを伝えたい。そして組織の中で実践してもらい、社員一人ひとりの“考える力”を養って欲しい」 彼女の新たな活動は、ビジネス界から注目を浴びている。

精神的な支えになりたい ― ピアノ講師から秘書に転向 ― 

 那覇市出身の藤本ゆかりさんは、米国の音楽学校を卒業後東京の幼児教育会社に入社。ピアノを教えながら、社長秘書も任された。必要な書類を用意するなどの事務的なサポートをしていたが、次第に社長のリーダーとしての不安や迷いについての話相手になっていった。
 「人前に出る機会が多い社長は、友人や家族にさえ話せないプレッシャーを抱えている。秘書は精神的な支えになることも求められるのでは。どのようなときにも側にいて、どんな話でも受け止められる秘書でありたい。」 「ピアノの腕を生かすべきだ」と周囲の反対があったものの、次第に秘書の仕事に重点を置くように。 一九九七年、高みを目指すために、大手外資系企業の日本IBM株式会社に入社。営業部長の専属秘書に任命された。 「仕事は交渉が主体。例えば幹部が会議をする必要があれば、その秘書同士が集まり事前に日程を調整。さらにボスの出張中に来客があった際には失礼のないように対応する」対話能力や、社全体の運営を把握する広い視野が要求された。 様々な人とかかわるうちに、皆が働きやすい職場環境にするには、組織の中に各人の魅力を見いだす人が必要だとわかった。
 「契約が取れたボスやその部下に対してサラッと『お疲れ様』と言うのではなく、『あなたの誠実さが、その粘り強さが、成功に結びついたんですね』と個々の長所を的確につかみ敬意を表した」 逆にうまくいかなかった際も、「愚痴ぐらい私が聞いてあげましょう」と大きく構えた。「『だれもフォローしてくれなかった、客がああだから失敗した』と最初は人のせいにしていた彼らも、最後には『私もこういうところが悪かった』と自分で気が付く様子」本人が長所や短所に気が付き、それをいかしたり克服することで、チームは活気付き、業績を上げた。「秘書の気配りのおかげ」と評価されたときの喜びは、ひとしおだった―。

 経営者にコーチングを提唱 ― 組織と社員互いに向上して ― 


  「相手が思っていることをどんどん言葉にして明確にさせて、自発的な行動につなげる」 自らが実践するスタイルが、アメリカで生まれた「コーチング」というコミュニケーションの手法と一致することを知る。彼女は、仕事と両立しながらそのコーチ養成プログラムを修了した。
 「会社を動かすのは人。人の心は人がしか動かせない。この本質を忘れては良い成果は得られない」 「人はだれでもその人なりの魅力や強みがある。それを自分の個性としていかしきれていない社員が多く、さらにそれを引き出せるリーダーが少ない」十五年間秘書職に従事しそのことに気が付いた彼女は、0二年、コーチングを広めるために退職。東京と沖縄を拠点とするインテリジェンス・アンリミテッドを設立し、主に経営者や組織を対象にコーチングを行なう。

「部下の強みをどれでだけ知っていますか」 「その部下の強みを十分にいかしていますか」

 そう彼女はクライアントに問い掛けながら、本人の中にある答えを引き出す。彼らは次第に部下への接し方を見直し、長所に視点を向けるようになった。「これからの経営は、社長のやり方に部下を合わせることでもなく、任せきりにするのでもない。組織と個人がそれぞれ考えを出し合い、共に協力して成果を上げるもの。社員一人ひとりの“考える力”を引き出す技術として、コーチングはこれからのリーダーに必要な手法」と熱く語る。


 「人が最も美しく輝くときは、自分の中の答えに気が付いたとき。その瞬間を見るのが最大の喜び


 今月末と来月に、ラグナガーデンホテルとかんぽレクセンターで講演会を予定しているとのこと。今後の活躍が楽しみだ。